Theatre

新国立劇場


新国立劇場は、オペラ・バレエ・演劇および新しいタイプの舞台芸術などの上演を主軸に、現代舞台芸術の多彩な公演事業をはじめ、研修、舞台芸術資料の収集・保存・公開、諸外国との交流や地域文化振興などの諸事業を行うことを目的とした、日本に初めて実現する国立劇場である。
多目的劇場が主流だった10余年前に国際設計コンペによって、建設への確かな歩みが始められたこの企画は、本格的な専用劇場を目指すもので、日本の劇場史に専用劇場指向への大きな影響を与えつつ、一方では国際的なネットワークに劇場を位置づけるものとして注目を集めてきた。
四面舞台を持つオペラ劇場および中劇場と、新しい試みの舞台芸術公演用の小劇場を併せ持ち、また多数の稽古場、研修施設などを配した69,000m2に及ぷ新国立劇場は、あらゆるジャンルの現代舞台芸術に対応できる一大劇場コンプレックスとして、世界に稀有の規模と内容を備えたものといえよう。

したがっての設計にあたっては、本格的な専用劇場の建設とあらゆるジャンルの舞台芸術の拠点づくりが主要テーマであった。

高度に情報が進展する現代において、生身の人問が演ずる真に人間の力に出逢うことのできる場こそが「劇場」であるという意味が、設計の心であった。 従って、触覚的ともいえる全感覚的な世界を発展させる空間づくりに意が向いたのも当然といえよう。 そこでは、あらゆる場所が舞台となり、そこに居合わせる人々がその情景の構成者ともなり、多様でイリュージョナルな展開を備えた空間を随所につ〈り出すネットワークを構成の骨子とした。
それらは、大きなディメンションによるダイナミックな空間構成や、「坂の街」のごとく刻々と視点を変える高さの変化を持つ空間性が、上下する身体運動を伴って情景の常なる変化を呼び起こし、日常を越えた世界がそこに準備されることを期待した。

そしてそのネットワークには、都市をも引き込みたいと考え、劇場を取り巻くように配置したパブリックな空間を周辺に向けて開〈ことで、都市を引き入れダイナミックな空間性を備えることとした。

すなわち、新国立劇場で繰り広げられる人々の交感の場が、向き合う都市を客席とする舞台となることで、開かれた劇場がその構えとなった。


■建築主 特殊法人 日本芸術文化振興会(建設省関東地方建設局 )
■所在地 東京都渋谷区 ■用途 劇場
■設計期間 1986年〜1990年 ■施工期間 1992年〜1997年 ■延床面積 68879m2 
■構造 鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造 ■階数  地上5階 地下4階 
■掲載 JA'91/3、建築文化'86/8,'97/6、新建築'86/6,'97/6、日経アーキ'86/6,'97/6、建築技術'97/7、
 COMPE&CONTEST 9705 No.52、建築設計資料63演劇の劇場、approach Autum 1997, JATET 27
■受賞 最優秀賞(指名設計プロポーザル)

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三鷹市芸術文化センター

芸術の鑑賞のみならず、市民の主体的な
参加、育成の場として、芸術・文化の生きた
活動施設を意図するもので、これはまた
三鷹市内の文化施設ネットワークの
中枢として、文化活動の総合発信基地
として位置づけられる。

■共同設計 劇場工学研究所 ■建築主 三鷹市 ■所在地 東京都三鷹市 ■用途 劇場
■設計期間 1992年〜1993年 ■施工期間 1993年〜1995年 ■延床面積 9983m2 
■構造 鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄骨造  ■階数  地上2階 地下2階 ■掲載 新建築 '96/3、
■受賞 最優秀賞(指名設計プロポーザル)


東京オペラシティ

総合的な都市文化創造の場を目指し、
隣接する「新国立劇場」と、お互いに機能を
補完し合いながら一体街区を形成している。
この街区全体が芸術文化の拠点となる、
《劇場都市》の創出を意図している。

■建築設計 NTTファシリティーズ/都市計画設計研究所/柳澤孝彦+TAK建築・都市計画研究所 
■所在地 東京都新宿区西新宿 
■用途 事務所・商業施設・文化施設(コンサートホール・音楽練習室・美術館・展示施設)
■設計期間 1989年〜1992年 ■施工期間 1992年〜1996年(一部1999年) 
■延床面積 242014.85m2 ■構造 鉄骨造 鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造
■階数  地上54階 地下4階 ■掲載 新建築 '97/4、SD '97/6


photo OKEGAWA さいたま文学館・桶川市民ホール

県立と市立それぞれ固有機能をもつ
公共施設を合築するという
新しい試みである。
すべての面に開放的な円形平面構成で
あらゆる機能を包み込むことにより、
二つの施設の境界を解きほぐして
相乗的な構成を築き上げ、
また都市の中心ともいえる敷地の
特徴を最大限に引き立てた開放的な
構えを創り出している。


■建築主 埼玉県 / 桶川市 
■所在地 埼玉県桶川市 ■用途 文学館及び劇場
■舞台設計協力 小栗哲家 奥畑康夫 本間俊哉
■設計期間 1993年〜1995年 ■施工期間 1995年〜1997年 
■延床面積 13281m2 ■構造  鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造
■階数  地上4階 地下2階 ■掲載 新建築 '98/2、日経アーキ '98/1/26、建築技術 '98/2
■受賞 最優秀賞(指名設計競技)